光のもとでⅠ
「そんな顔してたらほっぺたつねるよ?」
 左隣に座るツカサの頬をツン、としてからリビングを離れた。
 明日は鍼治療の日だ。
 学校が終わったらすぐに病院……。
 相馬先生に治療してもらえば少しは楽になるはず。
 自室前までたどり着くと玄関が開いた。
 入ってきたのは秋斗さん。
「あれ? もう会食終わっちゃった!?」
「いえ、まだ始まったばかりでみんなリビングにいます」
「翠葉ちゃんは……? 具合、悪い?」
「具合が悪いというわけではなくて――電池切れ、ですかね?」
 苦笑して答える。
「休まないことには食べるものも食べられそうにないので、一度寝ることにします」
「そう……」
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