光のもとでⅠ
 マットからの振動で、私の近くに腰掛けたのがわかる。
 ラヴィから聞こえる唯兄の声が近くなった。
「何これ……」
 きっとラヴィのことだろう。
「唯兄からのプレゼントで目覚まし時計です。……慣れない目覚まし時計に起こされてびっくりしちゃいました……」
「なるほどね……。飛び起きて眩暈のコースね」
 情けなさすぎる……。
 唯兄、できればもう少し穏やかな目覚めを希望します。
「翠葉にこんな目覚まし贈るだなんて、若槻ったら私にケンカ売ってんのかしら」
 えぇと、それはどういう解釈でしょうか……。
 ……もしかして、私がこういうバカをすることが前提?
「その目覚ましはちょっとやめておけば? ぬいぐるみとしてだけで十分にいい仕事してる思うし」
 苦笑混じりの蒼兄の声。
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