光のもとでⅠ
「はい、ドア開けても大丈夫だよ」
 返事をするとドアが開いた。
「まだ着替えてもいないのか?」
「えと……秋斗さんの誕生日に会ったのに、私、何もプレゼントしてないなと思って……」
「あぁ……」
 蒼兄は私が手にしている柘植櫛とドレッサーに置いてある陶器の入れ物に視線を移した。
「そういえば、司の誕生日は覚えているのか?」
「ううん」
「だよな。司の誕生日は四月六日」
「……もう終わってる」
「翠葉の誕生日に司は電話してきたんだ。その翌朝、今みたいな会話をしたよ」
「……ツカサが電話?」
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