光のもとでⅠ
「海斗くんを待っているの?」
「そんなわけないだろ」
一蹴されたけど、では、なぜいるのだろう……。
蒼兄と顔を見合わせ、
「司も車に乗ってくか?」
蒼兄が訊くと、ツカサは「遠慮します」と断った。
「自分は翠に話があるだけなんで」
「じゃ、俺は車取ってくるから」
と、蒼兄は足早にその場を去った。
学校から帰ってくるときは、エントランスフロアから見える場所にあるエレベーターを使う。
けれど、朝は静さん専用と言われている奥にあるエレベーターを使うため、今いる場所からはエントランスの死角になっている。
このエレベーターを使う人は私たちのほかに静さんしかいないため、ここを通る人もいない。
「そんなわけないだろ」
一蹴されたけど、では、なぜいるのだろう……。
蒼兄と顔を見合わせ、
「司も車に乗ってくか?」
蒼兄が訊くと、ツカサは「遠慮します」と断った。
「自分は翠に話があるだけなんで」
「じゃ、俺は車取ってくるから」
と、蒼兄は足早にその場を去った。
学校から帰ってくるときは、エントランスフロアから見える場所にあるエレベーターを使う。
けれど、朝は静さん専用と言われている奥にあるエレベーターを使うため、今いる場所からはエントランスの死角になっている。
このエレベーターを使う人は私たちのほかに静さんしかいないため、ここを通る人もいない。