光のもとでⅠ
 蒼兄の顔を見ようと顔を上げたとき、ガチャリ、と音がした。
「おふたりさん、おはよ。……ごめんね、出るに出られなくて……」
 高崎さんがマンションの一室から出てきた。
「翠葉ちゃん、とりあえず顔を拭こうか」
 差し出されたのはホットタオル。
「す、すみません……」
「でね、翠葉ちゃん。司様との会話も粗方聞こえちゃったわけなんだけど、彼は翠葉ちゃんに対して虫唾が走るって言ったんじゃないよ? もう一度言われたことを思い出してごらん?」
 タオルから顔を話し、高崎さんを見る。
 すると、ふわり、と笑った。
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