光のもとでⅠ
「司様は翠葉ちゃんの体調を優先するって言ってたし、それで翠葉ちゃんが葛藤しても悩んでも止めるって言ってたよね? それはさ、翠葉ちゃんをひとり置いていくつもりはないってことでしょう?」
 わからない――。
「逆にそこで悩んじゃうほうが司様は怒りそうだけど?」
 あ――。
「わかった? 侮るなっていうのは、自分たちは中学の人間たちとは違うんだから、要らぬことで悩むな、葛藤するな、ってことじゃない? ま、究極の思考翻訳だけどさ」
 高崎さんは肩を竦めて見せた。
 そこにコンコン、という音が割り込む。
「そろそろ出てもいいでしょうか?」
 高崎さんが出てきたドアから空太くんが顔を出した。
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