光のもとでⅠ
「あ、やばっっっ。翠葉急ぐぞっ」
「きゃっ――」
 有無を言わさず蒼兄に抱え上げられた。
 走り出した蒼兄に並走する高崎さんに、
「はい、タオルはお預かりいたしまーす!」
 手に持っていたそれを取り上げられる。
バタバタと車に乗せられ、学校に着いたのは二十分。
 三十分までには教室に着いていないと遅刻扱いになってしまう。
「蒼樹さん、ここからは自分一緒ですから」
 空太くんが言うと、
「悪いけどお願いね」
 駐車場を出て少し歩いたところで蒼兄と別れた。
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