光のもとでⅠ
「大丈夫だよ」
 空太くんは念を押すように、励ますように言う。
 それでも私は自信が持てない。
「だって、あそこ見てみて?」
 空太くんが指差したのは校舎だった。
「翠葉も空太もおっそーいっ!」
 飛鳥ちゃんが窓から身を乗り出していて、それを止めている海斗くんがいる。
 桃華さんは時計を指差し、「遅刻ギリギリよ」と口を動かした。
「ね? もし仮に翠葉ちゃんがそう思っていることに気づいたとしても、あそこにいるクラスメイトたちは変わらないと思わない? 時間が必要なら時間をかけてもいいからわかってよ。そうだな……たとえば、翠葉ちゃんが二十位脱落して生徒会から除名されたとしても、うちのクラスの出席番号二十八番は翠葉ちゃんで、その代わりになる人はいないんだよ」
 空太くんがふわりと笑う。
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