光のもとでⅠ
「テラスは暑いし、昇降口もアウト。教室は論外――桜林館の外周廊下にしようか」
「ごめんねっ!?」
「いいよ、謝らなくて。今までの関係なら翠葉ちゃんに相談なんてされること絶対になかったと思うし。そう考えると偶然の産物にちょっと感謝。俺、めったに兄ちゃんのところには泊らないからさ」
 そう言って空太くんは笑った。
 空太クンの言うとおり、桜林館の外周廊下にはさほど人がいなかった。
「で?」
「あの、あのっ……私、今朝――」
「今朝?」
「……ツカサになんて言われたかなっ!?」
 あまりにも尋ねている内容がバカみたいなことで、空太くんにどう思われるのかが怖かった。
 でも、訊ける人は空太くんか高崎さんしかいなくて、すぐにでも思い出したかった私は空太くんを追いかけずにはいられなかったのだ。
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