光のもとでⅠ
50
昇降口へ続く通路を歩く。
一二年棟桜林館側から見ると、手前から三年二年一年、と下駄箱が並んでいる。
一年の下駄箱に行くのが怖い。クラスの人に会うのが怖い。
周りに人はたくさんいるけれど、どうしてかその人たちのことは気にならなかった。
「あ――」
思わず口もとを手で覆う。
今、私が怖いと思っているのは好きな人たちだけなんだ……。
誰彼かまわず怖いわけじゃない。
それはそうだよね……。
私は好きな人が自分から離れていってしまうことが怖いのだから、ほかのクラスの人や知らない人にそんな感情は抱かない。
中学のときとは違う。
一二年棟桜林館側から見ると、手前から三年二年一年、と下駄箱が並んでいる。
一年の下駄箱に行くのが怖い。クラスの人に会うのが怖い。
周りに人はたくさんいるけれど、どうしてかその人たちのことは気にならなかった。
「あ――」
思わず口もとを手で覆う。
今、私が怖いと思っているのは好きな人たちだけなんだ……。
誰彼かまわず怖いわけじゃない。
それはそうだよね……。
私は好きな人が自分から離れていってしまうことが怖いのだから、ほかのクラスの人や知らない人にそんな感情は抱かない。
中学のときとは違う。