光のもとでⅠ
「雲隠れするくらいの落ち込みだったのか、それほどの何をやらかしたのかは気になるところ。それもリィが記憶をなくしたこと事体がショックだったのか……。なんにせよ、司くんのインハイが終わるまで所在不明者にならなかったことだけは褒めてあげるよ」
唯は宙を見ながら口にした。
翠葉が記憶をなくしたのは司のインハイ前。
確かにそれから少し時間が経ってからの雲隠れ――。
あの人もインハイ経験者なのだ。
司のインハイに対する配慮は咄嗟にできたのだろう。
そして、そこまでが限界だったのか……。
「俺、秋斗先輩とはずっと話してないし会ってもいないんだよね。唯は?」
「俺も。仕事は蔵元さん経由で振られてる。最近は秋斗さんから指示されるとかじゃなくて、采配ふるってるの全部蔵元さんっぽい。秋斗さんだったらもっと無茶なもの落ちてくるから」
その判断基準もどうかと思うけど、俺と唯は秋斗さんからしてみたら翠葉側の人間だったってことだ。
唯は宙を見ながら口にした。
翠葉が記憶をなくしたのは司のインハイ前。
確かにそれから少し時間が経ってからの雲隠れ――。
あの人もインハイ経験者なのだ。
司のインハイに対する配慮は咄嗟にできたのだろう。
そして、そこまでが限界だったのか……。
「俺、秋斗先輩とはずっと話してないし会ってもいないんだよね。唯は?」
「俺も。仕事は蔵元さん経由で振られてる。最近は秋斗さんから指示されるとかじゃなくて、采配ふるってるの全部蔵元さんっぽい。秋斗さんだったらもっと無茶なもの落ちてくるから」
その判断基準もどうかと思うけど、俺と唯は秋斗さんからしてみたら翠葉側の人間だったってことだ。