光のもとでⅠ
「俺も同じなんだよね。そこに翠葉が関わるからとかそういう次元じゃなくて、俺が――自分が付き合ってきた人だからこそ信用してる」
 そう答えたとき、廊下の空気が動いた。
 相馬先生がナースセンターから出てきたのだ。
「はいはいはい、失礼するよ」
 そう言って病室へ入っていく。
「あの人もオーナーと似た人だよね……」
 唯がぼそりと零す。
 確かに、あの中へ入っていくことを躊躇わない人間はいないと思う……。
 ほどなくして中の三人が廊下に出てきた。
 司は真っ直ぐナースセンターへ向かい、静さんはあちら側のソファにかける。
 秋斗先輩は左のソファを見てから、すぐにこちらへ身体の向きを変えた。
 病室の右側――たぶん、俺たちがここにいるとは知らずに。
 目が合って、次の瞬間にはさらに方向転換をしようとする。
 すぐに動いたのは唯だった。
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