光のもとでⅠ
懐かしくて、どうしてか切ない思い出。
午前十時の中庭。それが私とお姉さんをつなげる唯一のキーワードだった。
私が退院したあと、私は三回しかお姉さんに会うことができなかった。
そのとき、ユイちゃんはまだお姉さんに会いに来ておらず、私は最後まで名前を教えてもらうことができなかった。
そんなある日、看護師さん伝いで四角い箱が届けられた。
箱を開けるとオルゴールであることがわかったけれど、いくらぜんまいを回しても音は鳴らなかった。
箱の中には小さな鍵が入っていて、どこかに鍵穴がないかと探してみたけれど、それらしき穴も見つからなかった。
あれはいったいどこの鍵なのだろう……。
今もそのオルゴールは自宅の引き出しにしまってある。
本当はなんの曲を奏でるオルゴールなのかな……。
手紙も何も入っていなくて、看護師さんに名前を尋ねても教えてはもらえなかった。
お姉さんの名前、最後まで知ることはできなかった。
お姉さん……ユイちゃんは来てくれましたか?
今、元気に過ごしていますか?
午前十時の中庭。それが私とお姉さんをつなげる唯一のキーワードだった。
私が退院したあと、私は三回しかお姉さんに会うことができなかった。
そのとき、ユイちゃんはまだお姉さんに会いに来ておらず、私は最後まで名前を教えてもらうことができなかった。
そんなある日、看護師さん伝いで四角い箱が届けられた。
箱を開けるとオルゴールであることがわかったけれど、いくらぜんまいを回しても音は鳴らなかった。
箱の中には小さな鍵が入っていて、どこかに鍵穴がないかと探してみたけれど、それらしき穴も見つからなかった。
あれはいったいどこの鍵なのだろう……。
今もそのオルゴールは自宅の引き出しにしまってある。
本当はなんの曲を奏でるオルゴールなのかな……。
手紙も何も入っていなくて、看護師さんに名前を尋ねても教えてはもらえなかった。
お姉さんの名前、最後まで知ることはできなかった。
お姉さん……ユイちゃんは来てくれましたか?
今、元気に過ごしていますか?