光のもとでⅠ

　ホテルでここの仕事に携わっている人間は特攻Aチームと呼ばれていて、それはすごい勢いで仕事をする人たちの集団と聞いていたが、そんな雰囲気が感じられない。
　殺伐とした空気が微塵もなく、アットホームな印象だった。
「んじゃ、行こうか？　少し歩くんだけど、十分も歩かないから」
　屋外に出て森の中の小道を進む。と、ひっそりとした、けれども手入れの行き届いた祠にたどり着く。
「はい、じゃ、まずはカロリー摂取と水分補給」
　袋から取り出した弁当とペットボトルを渡される。
「弁当にポカリの組み合わせも味的にどうかとは思うんだけど、お茶だと塩分とか糖分補給できないんだよね」
　そう言ってはゴクゴクと音を立ててポカリを飲む。
「食べながら話すとさ、口の中にものが入ってて、受け答えができなくなって食べるの止まっちゃうから、先に食べようね」
　どうしてかそんな前置きをされ、先に弁当を食べることになった。