光のもとでⅠ
そして、今は穏やかな顔つきのこの人だって、態度を一変させるに違いない。
「自分は、翠葉ちゃんが謝罪の電話をかけてきたとき、許さない、と言いました」
「それは何の謝罪だったのか訊いてもいい?」
「私の目の前で髪を切ったことへの謝罪です」
「なるほど……。で、その許さないと言った言葉の意図は?」
「実際、謝らなくちゃいけないのは自分だと思っていましたし、怒ってなどいなかった」
「けど、傷つきはしただろう? 翠葉はそのことに対して謝りたかったんだと思うよ? それはわかってる?」
「えぇ、それはわかっていました。でも、普通に許すだけでは彼女は救われない。許すと言っても彼女自身が自分を責めることをやめないと思いました」
「よくわかってるね……」
零樹さんは嬉しそうに口にした。
「自分は、翠葉ちゃんが謝罪の電話をかけてきたとき、許さない、と言いました」
「それは何の謝罪だったのか訊いてもいい?」
「私の目の前で髪を切ったことへの謝罪です」
「なるほど……。で、その許さないと言った言葉の意図は?」
「実際、謝らなくちゃいけないのは自分だと思っていましたし、怒ってなどいなかった」
「けど、傷つきはしただろう? 翠葉はそのことに対して謝りたかったんだと思うよ? それはわかってる?」
「えぇ、それはわかっていました。でも、普通に許すだけでは彼女は救われない。許すと言っても彼女自身が自分を責めることをやめないと思いました」
「よくわかってるね……」
零樹さんは嬉しそうに口にした。