光のもとでⅠ
枕元で基礎体温計のアラームが鳴る。
六時二十五分、か……。
六時起きでは早い気がして六時二十五分という中途半端な時間に設定したのは昨夜のこと。
本当は七時でも良かったんだけど、家に戻ったときに七時の習慣が体に付いてしまうときつくなるから……と思ってこんな時間設定。
体温計を口に入れて考えることと言えば、今日の過ごし方。
まだ体を起こしていなから体の状態がどんな具合かはわからないけれど、昨日と大差ないことは想像に易い。
一日寝たきりは嫌なんだけどな。
それに髪の毛……。洗いたいけど洗えないし、お風呂にも入っていないからなんだか気持ち悪い。
ピピ、と音がして基礎体温を計り終える。
「三十七度二分……体が少し熱いわけだよね」
またしても私の体は体温調節をさぼっているのだ。
「少しくらい働いたほうが主人のためなんだけど」
と、自分の自律神経に文句を口にすると、玄関ポーチを開ける音がした。
部屋のドアを見ていると、そっと開いて栞さんが入ってきた。
「おはよう。具合はどう?」
「まだ体を起こしてないからなんとも……。でも、基礎体温上では微熱です」
栞さんの手が額に伸びてくると、
「あらやだ……。結構熱いわよ?」
栞さんはそのまま私の首や肩、腕や足などを触り始める。
「翠葉ちゃん、全身が熱いけど……」
「なんか体温調節さぼられちゃってるみたいです」
「相変らず怠慢な自律神経さんね。アイスノン持ってくるからちょっと待ってて?」
と、部屋を出ていった。
六時二十五分、か……。
六時起きでは早い気がして六時二十五分という中途半端な時間に設定したのは昨夜のこと。
本当は七時でも良かったんだけど、家に戻ったときに七時の習慣が体に付いてしまうときつくなるから……と思ってこんな時間設定。
体温計を口に入れて考えることと言えば、今日の過ごし方。
まだ体を起こしていなから体の状態がどんな具合かはわからないけれど、昨日と大差ないことは想像に易い。
一日寝たきりは嫌なんだけどな。
それに髪の毛……。洗いたいけど洗えないし、お風呂にも入っていないからなんだか気持ち悪い。
ピピ、と音がして基礎体温を計り終える。
「三十七度二分……体が少し熱いわけだよね」
またしても私の体は体温調節をさぼっているのだ。
「少しくらい働いたほうが主人のためなんだけど」
と、自分の自律神経に文句を口にすると、玄関ポーチを開ける音がした。
部屋のドアを見ていると、そっと開いて栞さんが入ってきた。
「おはよう。具合はどう?」
「まだ体を起こしてないからなんとも……。でも、基礎体温上では微熱です」
栞さんの手が額に伸びてくると、
「あらやだ……。結構熱いわよ?」
栞さんはそのまま私の首や肩、腕や足などを触り始める。
「翠葉ちゃん、全身が熱いけど……」
「なんか体温調節さぼられちゃってるみたいです」
「相変らず怠慢な自律神経さんね。アイスノン持ってくるからちょっと待ってて?」
と、部屋を出ていった。