光のもとでⅠ
「零樹さん」
「ん?」
「ここまで先に言われて今さら何を言えばいいのか――でも、決して中途半端な気持ちではないんです」
 この際、それだけをわかってもらえればそれでいい。
「うん、わかってるよ。わかってるから何も言わないできた。そして、これからも何を言うつもりもない」
「…………」
「男に二言はないよ?」
 そう言って、柔らかに笑う。
「知ってる? 男親が娘の恋愛に口出しすると、えらい確率で嫌われるって。俺、それだけは避けたいんだよねぇ……」
 どこまでが本心で、どこからが俺に対する気遣いなのか……。
 この人の真意が見えてこない。
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