光のもとでⅠ
「秋斗くん、君はさ、俺の親友である静、それから、信頼のおける息子たちが信じてる人間なんだ。そんな人間を疑ったりはしないさ。それに、今日会って話した限りでも、君の誠実さは伝わってくる。ここまで謝罪に来たという事実がそれを物語っている。これ以上に俺は何も求めないんだけどな」
 少し困ったように笑った。
 この際、俺はすべてをさらけ出してもいいだろうか。
 それは甘えになるのだろうか。
 でも――。
「すみません……俺、かなり戸惑ってます。俺はここへ許しを請いに来たはずで――」
「あぁ、じゃぁ形だけね? 許す。うん、許す許す、許した」
 この人が本当にわからない……。
「あれ? ダメ? それっぽく一発殴ったりしたほうがいいのかな?」
 首を傾げる様は翠葉ちゃんと一緒なわけで……。
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