光のもとでⅠ
直後、また人がやってくる。
今度は湊先生だった。
「おはよう。よく眠れた?」
「はい。おかげさまでぐっすりと」
ステンレストレイをベッド脇に置き腕に触れると、
「あら、あんた体熱いわよ?」
すぐにかばんからモバイルディスプレイを取り出す。
「発熱か……」
「今、栞さんがアイスノン用意してくれています」
「この程度なら薬は使わない。点滴、朝と夜の二回で一リットル入れるけど、経口摂取は努力しなさい。なんでもいいから飲む、食べる。いい?」
「はい」
栞さんが戻ってくると、程なくして蒼兄も部屋に入ってきた。
「翠葉ちゃんが良ければなんだけど、ここで朝食にしてもいいかしら?」
「全然かまわないですよ?」
「じゃ、みんなで朝食にしましょう」
と、また部屋を出ていった。
もしかしたら、私に気を遣ってくれているのかもしれない。
ひとりで過ごす時間が多くないように、と。
「栞は十二時過ぎにはここを出るけど、午後には秋斗が顔を出すって言ってた。何かあればそのときに言いなさい」
湊先生に言われて固まる。
「秋斗さん、ですか?」
「……困るって顔してるけど?」
「……困るというか――いえ、困るんです」
「なんでだ?」
湊先生と蒼兄とふたりして不思議そうな顔をしている。
今度は湊先生だった。
「おはよう。よく眠れた?」
「はい。おかげさまでぐっすりと」
ステンレストレイをベッド脇に置き腕に触れると、
「あら、あんた体熱いわよ?」
すぐにかばんからモバイルディスプレイを取り出す。
「発熱か……」
「今、栞さんがアイスノン用意してくれています」
「この程度なら薬は使わない。点滴、朝と夜の二回で一リットル入れるけど、経口摂取は努力しなさい。なんでもいいから飲む、食べる。いい?」
「はい」
栞さんが戻ってくると、程なくして蒼兄も部屋に入ってきた。
「翠葉ちゃんが良ければなんだけど、ここで朝食にしてもいいかしら?」
「全然かまわないですよ?」
「じゃ、みんなで朝食にしましょう」
と、また部屋を出ていった。
もしかしたら、私に気を遣ってくれているのかもしれない。
ひとりで過ごす時間が多くないように、と。
「栞は十二時過ぎにはここを出るけど、午後には秋斗が顔を出すって言ってた。何かあればそのときに言いなさい」
湊先生に言われて固まる。
「秋斗さん、ですか?」
「……困るって顔してるけど?」
「……困るというか――いえ、困るんです」
「なんでだ?」
湊先生と蒼兄とふたりして不思議そうな顔をしている。