光のもとでⅠ
 碧さんは子どもの側についているでなければ、自分の面倒も見れていない。
 腹が立った――ただ、それだけだった。
 あとは、どうしてそうなんだ、と詰め寄ることしかできなかった。
 すぐに水分を摂らせようとしたけれど、
「ごめんなさい、戻しちゃうの……」
 水分を摂ってもすぐに戻すようなら脱水症状を進行させるだけだ。
 ならば、すぐにでも病院で点滴を打つべきじゃないのか。
 この人は四十五になって、そんなこともわからないのか。
 そう問い質せば、
「病院へ行ったら携帯が使えなくなる」と言う。
 携帯で見れるバイタルを気にしているのだとすぐにわかった。
 次の言葉を言おうとしたとき、玄関が開く音がした。
 廊下から現れたのは蒼樹くん。
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