光のもとでⅠ
 完全にヒートアップしていた自分をどうすることもできずにゲストルームを出た。
 自分の家のドアを閉めてその場にしゃがみこむ。
「私、今、どうしたって冷静になれないもの――あんな碧さん見てられない」
 不覚だった。
 自分は元介護福祉士だというのに。
 脱水症状や熱中症のお年よりは年中見てきたのに。
 ただ、付き合いの長い、とても尊敬している人を前には何もできなかった。
「お願いだから――早く、病院へ連れて行って……」
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