光のもとでⅠ
 玄関周りを掃いているとき、エレベーターから人が降りてきた。
 降りてきたのは御園生家。
 その中に翠葉ちゃんの姿を見て目を瞠る。
 翠葉ちゃんはずいぶんと痩せてしまっていた。
 ここにいたときよりも、ずっとずっと華奢になってしまっていた。
 首もとに入れていたであろうIVHの痕が痛々しい。
 藤宮の夏服で隠せるのか、そんなことが気になる。
 腕の点滴の痕もかわいそうだった。
 今が冬だったら良かったのに……。
 そう思うくらいには何を見ても痛々しかった。
 声もかけずに家に入る。と、すぐにインターホンが鳴った。
「え……?」
「美波ちゃん、いる? ……いるよね? 少し、話をさせてもらえない?」
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