光のもとでⅠ
「しませんよ……。っていうか、あの男、本当に自分以外の人間に無関心じゃないですか」
「まぁ、基本的には……。それは否定しないかな」
今は翠葉という気になる対象がいるにしても、中等部の頃は誰にも興味を示していなかった。
今ほど周りの人間との交流もなかったし、いつだって孤高の存在だった。
「どれだけ近づこうとしても、近づいたら近づいた分だけ離れていく。なのに、私が困っているときにはどこからともなく現れて助けてくれるから性質が悪いんです……」
「らしいっちゃらしいけど、でも、それは司の視界にちゃんと桃華が入ってたってことにはならないかな?」
「私もそんなふうに考えた時期があります。でも、そうじゃないってわかるまでにそんな時間はかかりませんでした。あの男は同じ組織にいる人間としてミスがないように、たぶんそれだけです」
翠葉に対するフォローとは全く異なる。
いつだって仕事上で困ったときのみに差し伸べられる手だった。
助けられることはあっても気遣われたことはない。
「まぁ、基本的には……。それは否定しないかな」
今は翠葉という気になる対象がいるにしても、中等部の頃は誰にも興味を示していなかった。
今ほど周りの人間との交流もなかったし、いつだって孤高の存在だった。
「どれだけ近づこうとしても、近づいたら近づいた分だけ離れていく。なのに、私が困っているときにはどこからともなく現れて助けてくれるから性質が悪いんです……」
「らしいっちゃらしいけど、でも、それは司の視界にちゃんと桃華が入ってたってことにはならないかな?」
「私もそんなふうに考えた時期があります。でも、そうじゃないってわかるまでにそんな時間はかかりませんでした。あの男は同じ組織にいる人間としてミスがないように、たぶんそれだけです」
翠葉に対するフォローとは全く異なる。
いつだって仕事上で困ったときのみに差し伸べられる手だった。
助けられることはあっても気遣われたことはない。