光のもとでⅠ
「その男が、今じゃ翠葉に振り回されっぱなし。少しいい気味です」
 少し意地悪い顔で蒼樹さんに笑いかけると、まだ不思議そうな顔をして私を見ていた。
「なんですか?」
 目がきれいすぎて吸い込まれてしまいそう。
 藤宮司も蒼樹さんもメガネをかけているところは同じ。
 しかも、似たようなノンフレーム。
 けれど、レンズの向こうにある目の温度が、色が違う。
「そういうのってさ、どうやったら諦めつくの?」
 ……えええええっっっ!?
「あれはもうなんていうか……人畜無害としか思われていないって嫌でもわかる態度でしたし――そもそも、こういうこと訊きますっ!?」
「あぁ、そっか……ごめん」
 蒼樹さんはとても罰の悪い顔をした。
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