光のもとでⅠ
「ちょっと、何笑ってるのよっ」
「だって、行動がツカサと一緒なんだもの」
 翠葉は嬉しそうに笑っていた。
「あの男と一緒にされるのも並列扱いされるのも嫌だけど、何も教えてもらえないのはもっと嫌」
 それが私の本音。
 翠葉の背後から歩いてくる藤宮司に宣言するように言ったつもり。
 まだ翠葉は藤宮司がそこにいることに気づいていない。
「うん」とはにかんだ翠葉まであと数歩。
「ずいぶんな言われようだけど、それは俺も同感」
 私を真っ直ぐに見据えて言う。
 思い切り真正面から「最悪」って言われている感じ。
 こんな関係にももう慣れた。
 こういう位置関係が私たちの在り方。
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