光のもとでⅠ
「相変わらずいいこと言うじゃない」
 私も教壇を下り、香乃の机の前に立つ。
「香乃、私も同感。それに香乃にならできると思うし、私たちクラス委員も安心して背中預けられるわ」
 やっぱり、やりたいと思っている人にやってもらいたい。
 困り顔の香乃に笑顔を向けると、
「カノンっ、なんのために夏休み中に自分の作品仕上げたのっ!?」
 廊下側から希和が声をかける。
 美術部の作品が仕上がっているのなら、文化部であっても忙殺されることはないだろう。
 それなら迷うことはないと思うのだけど……。
 それに……香乃、実行委員になればもっと佐野と話す機会が増えるわよ? 
 そんな動機であっても私はかまわない。
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