光のもとでⅠ
 恋って時にすごい原動力になるものだし……。
 思わず香乃に昔の自分を重ねる。
「はーい! 俺も七倉を推薦っ!」
 香乃の斜め後ろの席の空太が口にした。
 空太の発言がきっかけとなり、クラスといたるところから、賛成の旨を示す声があがりだす。
「香乃、どうする?」
 返ってきたのは満面の笑み。
「……はいっっっ! 七倉香乃子、推薦されたけど立候補っ! 実行委員やりたいですっ」
 席を立ち、教室全体を見渡すように振り向いた。
「じゃ、続いて男子なんだけど――できれば運動部から出てほしいの。文化部は色々と忙しいから」
「香乃は美術部のほう、大丈夫なの?」
 飛鳥が訊くと香乃はにこりと笑って答えた。
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