光のもとでⅠ
「別にいじめてるつもりはないんだけどさ。……でも、それはちょっと気をつけたほうがいいかもね。また明日!」
 和総が教室を出てから、ふとパーソナルデータを思い出す。
 河野和総、バスケ部、風紀委員――。
 委員会が絡むということだろうか……。
「翠、まだ?」
 不機嫌そうな声が割り込んだ。
「早く行ったほうがいいぞ~」
 海斗が言えば、「またあとでね」と翠葉は教室を出た。

「ま、確かに勘違いされてもおかしくはないわな」
 海斗がため息をつく。
「美男美女でいいんじゃない?」
 佐野はあっけらかんと答えたけれど、
「ん~……」
 唸る海斗も風紀委員の動向が気になっているのだろう。
< 3,824 / 10,041 >

この作品をシェア

pagetop