光のもとでⅠ
図書棟に続く桜林館の外周廊下はテラスよりはまし、そんな違いしかなかった。
それでも炎天下よりは日陰のほうがいいだろう。
それに気づいた翠が俺の前に出て顔を見上げてくる。
「二階のテラスはもっと暑かったよね?」
「たぶんね……。別に翠のためじゃない、俺だって暑いよりは涼しいほうがいい」
とはいえ、自分ひとりだったらあのままテラスを突っ切っていただろう。
途端、翠の表情が曇る。
「ありがとうくらい言わせてくれてもいいのに……」
「あぁ、それなら今からでもかまわないけど?」
笑顔を添えて答えると、もっとむすっとした顔になった。
それも束の間。
どうしたことか、嬉しそうな表情に変わる。
理由は不明。
「司くんっっっ」
知らない女子が目の前に並ぶ。
まるで俺たちの行く手を阻むように。
それでも炎天下よりは日陰のほうがいいだろう。
それに気づいた翠が俺の前に出て顔を見上げてくる。
「二階のテラスはもっと暑かったよね?」
「たぶんね……。別に翠のためじゃない、俺だって暑いよりは涼しいほうがいい」
とはいえ、自分ひとりだったらあのままテラスを突っ切っていただろう。
途端、翠の表情が曇る。
「ありがとうくらい言わせてくれてもいいのに……」
「あぁ、それなら今からでもかまわないけど?」
笑顔を添えて答えると、もっとむすっとした顔になった。
それも束の間。
どうしたことか、嬉しそうな表情に変わる。
理由は不明。
「司くんっっっ」
知らない女子が目の前に並ぶ。
まるで俺たちの行く手を阻むように。