光のもとでⅠ
エレベーターが上昇を始めたとき、翠が口を開いた。
言おうかどうしようか――そんな感情は、狭い箱の中だとよりいっそう濃厚に感じる。
「さっきの先輩たちは知りたかっただけだと思うよ? ……普通に、期間限定家庭教師、って教えてあげたら良かったのに……」
なんでその話……?
「……翠、課題テストや全国模試の準備できてる? もしできてないなら、俺が面倒見ようか?」
笑みを添えれば、「スミマセン」と謝った。
なら、最初から口にするな……。
図書室には誰もいない。
たぶん優太辺りが茜先輩たちにも連絡したのだろう。
少し遅れていこうとかなんとか……。
漣はもともと遅刻魔だし……。
言おうかどうしようか――そんな感情は、狭い箱の中だとよりいっそう濃厚に感じる。
「さっきの先輩たちは知りたかっただけだと思うよ? ……普通に、期間限定家庭教師、って教えてあげたら良かったのに……」
なんでその話……?
「……翠、課題テストや全国模試の準備できてる? もしできてないなら、俺が面倒見ようか?」
笑みを添えれば、「スミマセン」と謝った。
なら、最初から口にするな……。
図書室には誰もいない。
たぶん優太辺りが茜先輩たちにも連絡したのだろう。
少し遅れていこうとかなんとか……。
漣はもともと遅刻魔だし……。