光のもとでⅠ
 標準以上に抜きん出て格好いいのは認めてるけれど。
 品行方正、頭脳明晰、眉目秀麗、スポーツ万能――しかも、家は財閥。
 ここまで揃っていれば人目を引くし、好奇の的にもなるだろう。
 でも、性格に難ありよ……。
 みんなわかってると思うんだけどなぁ……。
「いや、司が翠葉ちゃんとふたりがいいかなー? と思って」
 優太がニヤニヤと笑いながら言う。思わず私も便乗。
「なんたって、『ツカサ』って呼ばれてるしね~?」
「何が言いたい?」
「何も~? ね、優太?」
「そうそう、別に何も言いたくないよな? ただ、ふたりでいたいんじゃないかと思っただけだよな?」
「じゃ、お先にー!」
 そう言って先に教室を出た。
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