光のもとでⅠ
 あの、誰に関心を示さなかった司が、今はひとりの女の子にご執心。
 意外すぎて面白い。
 最初はどんな子なのかと好奇心の対象以外の何ものでもなかった。
 でも、初めて翠葉を見たときには正直呆れた。
 こんな美少女じゃないと司の目には入らんのか、コノヤロー、と。
 翠葉は同姓の自分から見てもかわいいと思う。
 性格は、まともに見えてかなりの不思議ちゃん。
 なんていうか、天然とも少し種類が違う気がする。
 そして、鈍い――。
 普通、「付き合ってほしい」と言われて、「どちらにですか?」って答える子はそうそういないと思う。
 少なくとも私の周りにはいなかったタイプだ。
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