光のもとでⅠ
「なんだって?」
 隣を歩く優太に訊かれる。
「ん? 海斗が一緒だったらつまらないよねって話」
「ちょっと一年B組寄ってく?」
「あ、そうだね」
 あわよくば、先に海斗をこっちで回収してしまえばいいだろう。
 階段を下り海斗たちの教室を覗くと、桃華と陸上少年が教卓の前にいた。
「あれ、多分ふたりじゃ持てないよ。行こう」
 背中を押され、階段を下りる。
「あのふたりだったらさ、運ぶ人のもうひとりには翠葉ちゃんじゃなくて海斗を指名するよね?」
「あ、そっか」
「そういうこと」
 にこりと笑われて思う。
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