光のもとでⅠ
 だから、友達がいようといまいと話をする機会なんてほとんどない。
 人がいると騒ぎたくなる私にとってはうってつけの環境だった。
 ある日、私が問題を解くのに行き詰っていたとき、先生はほかの子を見ていて先に進めなくなってしまった。
 数学なんてもとから苦手で、ひとつの問題に躓くと先の問題なんて見る気もしなくなる。
「もう無理……数学やだ~……」
 机に突っ伏していると、
「寝てたら怒られるよ」
 と、声が降ってきた。
「え?」と顔を上げると、すごく格好いい男子が立っていたわけで……。
「寝てたわけじゃないの。問題が解けなくて……」
 言うと、問題を見て「中三?」と訊かれた。
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