光のもとでⅠ
「あっ!」
 思わず声をあげてしまったのは私。
 それに気づいて、「この間の」と立ち止まってくれたのは優太。
「あの問題はもうクリア?」
 笑って訊かれた。
 その笑顔の爽やかたるもの――。
 あっという間に恋に落ちた。
 それからお互いの自己紹介やどこの中学なのか、そんな会話をして会えば自然と話をする仲になった。

 マンツーマンの塾というのはほとんど生徒間の交流がない。
 時間もそれぞれ一コマ、二コマと違ったりするし、来る日によって教科担当の先生が違ったりするから、同じ学校の子がいてもあまり出くわすことはないのだ。
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