光のもとでⅠ
 彼女は調味料のスパイスのようにも思える。
 話をすれば突拍子もなく、変則的な言葉が返ってくる。
 この辺がとても面白く魅力的といえようか。
 あぁ、ブーケガルニ。
 そうだ、きっと彼女はブーケガルニに違いない。
 出された料理を食べる俺たちは、隠し味になっている数種類のハーブを当てることがなかなかできない。
 きっと、人が考え付かないようなハーブの組み合わせなんだ。
 俺の中で彼女はそんな位置付け。
 司が惹かれたのはそこかな、なんて想像したりもする。
 確かに容姿も秀でてるんだけど……なんては口にしない。
 ジュリアの耳にでも入ったら恐ろしい。
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