光のもとでⅠ
 文化部の参加はもちろんのこと、運動部との交流も図れるように計算してある。
 佐野くんはこういうことに携わったことはないと言っていたけど、かなりいい仕事をしていると思う。
 頭が良く臨機応変に動ける人間というのは彼みたいなことをいうのだろう。
 ほら、俺がこんなふうに傍観して思いをめぐらせられる程度には楽をさせてもらっている。
 そんなとき、司が桃ちゃんを呼んだ。
「簾条、翠のかばん持ってきて」
「すぐ行くわ」
 桃ちゃんは翠葉ちゃんのかばんを持ってすぐに資料の林へと駆けていった。
「具合悪くなっちゃったかなぁ……」
 嵐子ちゃんが口にしただけで、みんながみんな資料の林の方を見ていた。
 そりゃ、あれだけ痩せてしまったあの子を見てしまえば、誰もがそういう心配をするだろう。
「司がついてるから大丈夫だよ」
 と言ったものの、俺だって心配はしている。
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