光のもとでⅠ
 明日は日曜日だからいいとして、どれだけ費やせば終わるんだか。
 佐野が真顔で俺を見るもんだから、思わず「冗談です」と謝る。
「いや、違うって……それ良くない?」
 は?
 佐野くん、君、頭溶けちゃった?
 この部屋、一応エアコンなるものきいてるはずなんだけど、夏の暑さに脳みそが溶け出しちゃったんじゃないの?
「いや、真面目にさっ」
 佐野はルーズリーフを取り出し、簡易タイムテーブルを書き出す。
「どうやったってこれだけの曲を数曲に絞るのは難しい。せっかく全校生徒のリクエストを集めたんだから、せめて上位ランキングくらいはクリアさせたいじゃん」
「それはそうだけど、そんなの無理でしょ……」
「そうでもないって。だって、これ文化祭だろ?」
 あぁ、そうともさ。
 泣く子も黙る藤宮の紅葉祭さ。
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