光のもとでⅠ
 生徒会運用資金なんてこのイベントのために降ってきてるようなものだ。
「そこを利用するんだ。ステージを作るのに金と人手を使う」
 は? 何を言い出して――。
 佐野がルーズリーフをひっくり返し、桜林館の見取り図を描き始めた。
 北側ステージと円形ステージの間に長方形のステージをひとつ設け、それらを結ぶ花道を作り、ステージ間の移動を可能にさせる。
 円形ステージの周りには吹奏楽部とコーラス部を配置した。
「あ、ちょっと待って……それ、すごくいいんじゃね?」
「わかったっ!?」
「わかったわかった。つまり、あれだよね? 姫と王子の出し物って項目をライブステージに盛り込む。でもって、演奏サイドに文化部使えばいいじゃんってやつでしょ? ほかにライブなら軽音部だってフォークソング部もできるわけだし、和筝部もコーラス部も吹奏楽部も便乗させられる」
 にやりと佐野が笑い、
「それだけじゃつまんないだろ?」
 やばい……。
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