光のもとでⅠ
「何? 理美らしくもない」
「うーん、翠ちんがさ、呼び出しに来る女子たちと話したいみたいなんだよ」
 まぁ、なんて変わった子……。
 千里を覚えられないという時点で変わった子だとは思っていたけれど、それとはまた別で不思議な感覚の持ち主だ。
「実はね、この間女子トイレでそういうの見ちゃって」
 と、先日の話をすることにした。
 あれも実のところ、私はお邪魔だったんだろうか、と今になって考える。


 二限の体育の授業が終わり、着替える際にヘアピンをひっかけてしまった私は髪型が崩れた。
 すぐにでも直したかったのだけど、更衣室と教室が離れているため、三限はそのままの状態で我慢。
 三限が終わってからそれを直すためにトイレへ行ったのだ。
 乙女たるもの、人前で身だしなみを直すべからず、よ。
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