光のもとでⅠ
 鏡には翠葉ちゃんの顔が映っていて、表情を見ることも可能。
「えと……つまり、ツカサと話したくて、でも話せないんですよね?」
 話の内容に耳を疑いたくなる。
「あの、ツカサにも話しているのだけど、女の子が苦手って取り合ってもらえなくて……。でも、まだがんばって話してるからもうちょっと待ってもらえますか?」
 これ何……? なんの話?
「あ、でも、ツカサから話しかけてくるというのはかなりハードルが高いから、できれば話しかけてみてほしいな……」
 翠葉ちゃんはものすごく一生懸命に話していた。
 挙句、
「たぶん、想像しているほど怖い人じゃないから」
 と、どうしたことか藤宮先輩の擁護までする。
 これ、なんなのかしら――。
 呼び出した側であろう、麗(うらら)と朱莉(あかり)の表情を盗み見れば、きょとんとしていた。
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