光のもとでⅠ
「でもさ、御園生ちゃんはそのどっちでもないんだよね。まず、呼び出しくらってもなんでしょう? って感じで普通についていっちゃうし、大声出されてびくっとはするけど、それで泣いたりもしない。かといって、言われていることに食って掛かるわけでもなく、最近だと藤宮先輩との架け橋になろうとしている気すらする」
「……ねぇ、質問」
 洋介が手を上げた。
「どうぞ」
「翠葉っちってさ、藤宮先輩が自分のことを好きってわかってないの?」
 いや、誰もが訊きたいことだと思うわ。
「大っ変残念ながら、今のところは気づいてない模様」
 苦笑交じりに和総が答える。
 それに爆笑したのは千里だ。
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