光のもとでⅠ
「もう一度言うけど、名前の呼び方変えたら返事しないから」
 さっき、「そういうの気にする必要ないから」とは伝えたが、そんな間接的な言い方では翠は何を指しているのかすら気づかないのかもしれない。
 読解力が欠損しているんじゃないかと疑いたくなる。
 だから、今度は直接的な言い方をした。すると、
「……ツカサ、駄々っ子みたいだよ?」
「なっ――」
 駄々っ子って俺がっ!?
 翠の後ろで簾条が腹を抱えてくつくつと笑う。
 勝手に笑ってろよっ。
「だって、私が司先輩って呼べば済むことならそのほうがいいと思うもの。もともと後輩が先輩に対して呼び捨てで呼ぶのはおかしいことなのでしょう? それなら、私が直せばいいと思う」
 あぁ、これは間違いなく名前の呼び方を戻すつもりだ。
 なんだこれ……。
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