光のもとでⅠ
「いや、十分甘いつもりだけど」
「こんなこと繰り返してたら翠葉に嫌われるよ?」
 嵐に言われて唸りたくなる。
 別に嫌われたくてしているつもりはないけど……。
 これで嫌われるのならそれまでか、と思う自分もいる。
 俺はきっと自分の性格を変えることはできない。 
 たとえば、昇さんのように、クーリエになろうとしていたものを好きになった相手に合わせて医者に変えるとか、そういう器用なことはできない。
 もし受け入れてもらえるのなら、このままの俺を受け入れてもらえないと意味がない。
 そうでなければ早々に破綻するのが目に見えている。
 そんなハリボテはいらない。
 ありのままの俺を理解してほしいと思うのはわがままなことだろうか。
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