光のもとでⅠ
「十一回って何……。俺にメール通知されたのって五回だけど」
「全部が全部やばそうなものじゃないからね。それに頻度高すぎよ。あれ全部に藤宮くんが出ていったら逆効果」
 それになんて言葉を返したらいいのかわからなかった。
 怒り半分、困惑半分。
 怒りは全部通知されていると思っていたのにそうではなかったことに対して。
 困惑は、翠がボールペンを使わないこと。
 誰の助けも呼ばないこと。
 翠が呼び出される原因は俺にある。
 それはわかっている。
 だからこそ、俺が迎えに行けばいいと思っていた。
 けど、翠には来るなと言われるし、迎えに行けば俺と翠のケンカにすり替わり、俺がその場の収拾を図れたためしはない。
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