光のもとでⅠ
 やっぱり翠はバカだと思う。
 だいたいにして、なんで人を呼ばないっ!?
 今だって胸ポケットにボールペンは挿してある。
 持ち歩いてはいるのに使いはしない。
 それがわからなかった。
「青木に聞いた。これで呼び出された回数が十一回目だって」
 極力声を抑える。
 翠が怒声に慣れていないのは知っているから。
「数えてないからわからないけど、まだ十回はいってないと思う……」
 どうしてここで反抗的な視線が返されるのかも不明。
「あら、間違いなく十一回目よ? 風紀委員できちんとカウントしてるもの。呼び出してきた人間のクラスも名前も明白」
 青木がメモを取り出し再度数えては、
「間違いなく十一回、十四人」
「呼べよっ」
 俺の脳細胞少し死んだかも。
 血管がブチブチ切れた気がする。
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