光のもとでⅠ
「大丈夫じゃないから病院へ行くんです」
「……そうなんだろうけど、すごい冷や汗だったわ。見たことがないくらい……」
そう言ったのは女子のほう、芹園先輩。
「実際、すごく痛いそうですよ」
どう説明したらわかってもらえるのか。
俺があの痛みを体験したわけじゃない。
それをどうやったら予備知識もない人間たちに理解してもらえる?
ペインビジョンの数値なんて話しても意味がない。
「……痛みのせいで何日間も眠ることすらままならず、ご飯を食べることもできなくなる――そんな痛みを知っていますか?」
振り向きふたりに訊く。と、ふたりは絶句していた。
想像を超えるたとえだったのだろう。
「俺も知りません。でも、翠が抱えているのはそういう痛みだそうです」
自分が体験してもいないことを「こうだ」とは言えない。
だから、自分が見てきたものをそのまま口にした。
「……そうなんだろうけど、すごい冷や汗だったわ。見たことがないくらい……」
そう言ったのは女子のほう、芹園先輩。
「実際、すごく痛いそうですよ」
どう説明したらわかってもらえるのか。
俺があの痛みを体験したわけじゃない。
それをどうやったら予備知識もない人間たちに理解してもらえる?
ペインビジョンの数値なんて話しても意味がない。
「……痛みのせいで何日間も眠ることすらままならず、ご飯を食べることもできなくなる――そんな痛みを知っていますか?」
振り向きふたりに訊く。と、ふたりは絶句していた。
想像を超えるたとえだったのだろう。
「俺も知りません。でも、翠が抱えているのはそういう痛みだそうです」
自分が体験してもいないことを「こうだ」とは言えない。
だから、自分が見てきたものをそのまま口にした。