光のもとでⅠ
「今までは下校時の校内チェックをみんなでやっていたわけだけど、それをグループ分けして効率よく、さらには負担を軽くしようと思う。女の子がひとりで夜道を歩かなくて済むように、必ず下校ルートが一緒の人間とペアを組むこと。まずは朝陽と桃ちゃん、嵐子ちゃんと優太、翠葉ちゃんと司、俺と茜、海斗と千里。これなら五日に一度のローテーションになる。ふたりだけで見回りっていうのはあれだから、紅葉祭実行委員からも充当する」
 これは間違いなく翠のための対策だろう。
「会長――」
 その先は続けられなかった。
 俺が礼を述べることじゃない。
 これは翠が戻ってきたら、翠が自分で言うべきことだ。
 もっとも、翠に気を遣いました、という具合に話すつもりはないんだろうけど……。
 それでも翠は気づくだろう。
 そういうところの勘だけは鋭いから。
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