光のもとでⅠ
17~23 Side Tsukasa 07話
学校を出たのは五時過ぎ。
病院には十分もあれば着く。
誰にものを尋ねるでもなく九階へ向かう。
長い廊下は足元が見える程度の照明しかついておらず、ナースセンターにだけ煌々と明かりがついていた。
ほかの階とは比べるまでもなく、経費削減を彷彿とさせる階になっていた。
これは相馬さんの性格か――。
少なくとも、翠が入院していたときはこんなことはなかった。
廊下から病室を覗き込めば、照明はついておらず自然光のみの明るさ。
この部屋の明るさは寝ている翠を気遣ってのことだろう。
相馬さんは翠の傍らで点滴を外しているところだった。
「おぉ、来たか」
いつもより小さな声で言われる。
病院には十分もあれば着く。
誰にものを尋ねるでもなく九階へ向かう。
長い廊下は足元が見える程度の照明しかついておらず、ナースセンターにだけ煌々と明かりがついていた。
ほかの階とは比べるまでもなく、経費削減を彷彿とさせる階になっていた。
これは相馬さんの性格か――。
少なくとも、翠が入院していたときはこんなことはなかった。
廊下から病室を覗き込めば、照明はついておらず自然光のみの明るさ。
この部屋の明るさは寝ている翠を気遣ってのことだろう。
相馬さんは翠の傍らで点滴を外しているところだった。
「おぉ、来たか」
いつもより小さな声で言われる。