光のもとでⅠ
 退院してから一か月分のバイタルにざっと目を通す。
 取り立ててひどいものは何もない。
 ただ、先々週半ばあたりから、ずっと微熱が続いていた。
 動きすぎだとは思っていたし、時折だるそうにしているのも見ている。
 でも、翠が笑顔を絶やさずがんばっているのを見てしまうと、それに水を差すようなことが言えなかった。
 そして、一方では単なる高温期だろうと思っていた。
 きっと、あと数日もしたら生理だろう。
 もっとも、生理がコンスタントにきているならば、の話だけど。
 もっと早くにセーブしておけば良かった。
 今となってはあとの祭りだ。
 バイタル――もう一度自分の携帯にも転送してもらえないだろうか。
 そうしたら、こんなことにはならない。
 デスクに置いてある翠のカルテにCFSのレベルが記されていた。
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